このページの表題は、文庫本の書名です。
 文庫本になる前に訳出されたハードカバー本の書名は「セックスはなぜ楽しいか」でした。
 もともとが Why is sex fun ? ですから,ハードカバーの訳で良いのでしょうが、ポルノ関係の書物と間違われたり、そうでなくても大学の授業の副読本にしにくかったり、いろいろと問題があったようです。

 頭の固い人って嫌ですね。

 なかなかこのページが書けなかったので強引に最初だけ書いてしまいました。
 後から、少しずつ書き加えます。
 というわけで、8月22日の書き込みはここまでです。

10月10日(木)
 続きを書きます。
 なんと、長い間放置したことでしょう。
 この書物の素晴らしさを簡単にお伝えしようとして、キーボードに向かう度に精神的に疲れて、他のサイトで、遊んでしまったのです。


 長時間放置したからといって良い文が書けるわけではないのですが、取り急ぎ・・・・です。

 さて、「Why is sex fun ?」 をそのまま訳したら、「なぜセックスは楽しいのか」になります。
 最初に日本で出版されたハードカバーの題名はそのように訳されていました。訳者は、本書が学術書なのにポルノのような受け止められ方をされるのが嫌で文庫本の訳は表記のように題名を変えたそうです。
 でも、訳だけの問題ではなさそうです。
 そもそも英文の段階で、この書物はポルノコーナーに、間違って置かれたそうです。
 アマゾンのレビューを見ますと、
 「なぜ、セックスが楽しいかは、わからなかった」
 という書込がありました。
 このレビューを書いた人は、題名を見て、単純に「なぜセックスが楽しいか」という設問の答えを知りたいと考えたようです。

 そして、そのような書物だとすれば・・・・
 実は私も、ハードカバーの訳本を見たとき、買うどころか手にとる気にもなれなかったのです。
 アマゾンのレビューと逆で、私は「セックスがなぜ楽しいか」を書いた書物なら見たくもなかったわけです。
 やはり、「Why is sex fun ?」という題名は、この素晴らしい学術論文には不向きだったのでしょう。

 さて、本題です。
 「なぜセックスは楽しいのか」の意味から始めます。
 これは「人間だけが、なぜセックスを楽しむのか」ということ、ひいては「セックスを楽しいと感じることが人間にとってどのような生物学的意味があるのか」という考察なのです。

 説明します。
 ほとんどの動物が、妊娠可能な時期にだけ交尾します。
 発情期だけ交尾する動物は、種の保存のために交尾しているのであって、生物学的にそのようにプログラムされているのであって、そのことを楽しんでいるかどうかなど問題にならないのです。
 このような動物の中で、発情期に関係なく妊娠に結びつかないにもかかわらず、のべつまくなしに交尾する動物は極めて珍しいことだというのです。人間のことですね。

 さて、このように人間は、圧倒的多数の生き物と異なり、生殖と無関係に性交を楽しむというところから話が始まります。そして、「人間は何故性交を楽しむのか?」つまり、人間にとって「セックスはなぜ楽しいのか」ということになるのです。

 そして、このことは、
 「性交を楽しむように進化したことは、人間にとってどんな意味があるのか?」
 という問いになるのです。

 関連して著者はいくつかの問題を提起します。
 これがまた面白いので、是非最後まで御覧ください。

(1)人間は、なぜ、発情期をなくして、のべつまくなしに性交するようになったのか。
(これが先に紹介した問題です)

(2)なぜ、人間は雌だけが授乳するのか?

(3)人はなぜ浮気をするのか?

(4)人間の雌にはなぜ閉経があるのか?

(今、記憶に基づいて書いています。失念している部分は後で本を見直して付け加えます)

でも、この4つだけで充分に興味深いと思いませんか?

 さて、答えは、ページを改めます。

 アメリカの大学教官、生物学的に、真面目にこのような論文を書いたことに興味を感じませんか?

 今日はここまでです。