歌川(安藤)広重作「三島」を使って、輪郭と輪郭線について考えます。

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まず元の画像です。
余談ですが歌川広重 (1797年~1858年)の作品は、没後50年経過していますから著作権の保護期間が終了しており、誰でもが使えるパブリックドメインです。
そこで
上の作品から、黒い輪郭線を引いた部分を取り出します。
ウインドウズパソコンであれば、上の絵にマウスを重ねると、下のような、輪郭線を取り出した絵に変わるはずですが・・・・
スマホ等マウスでカーソルを扱えない場合は、下の絵で辛抱して下さい。

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浮世絵は、まず墨の輪郭線部分を摺りますから、多分最初に上のような輪郭線を描いた墨版を刷ったと考えます。
墨の輪郭線の上から色版を重ねるのです。

ところで、
色の揃った、完成作品を再掲します。

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中央付近、旅人や籠を担ぐ人に輪郭線がありますが、左遠方の旅人や家、山などには、輪郭線がありません。
これらの影のような絵は、背景と色が異なることで、色と色の境目が輪郭になっています。
つまり
輪郭はありますが、輪郭線はないのです。
この、色の境だけの輪郭を輪郭線として取り出すと、下のようになります。


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ついでに
ウインドウズパソコンなら、マウスでカーソルを絵に重ねると、本来の「描かれた」輪郭線の絵に変わるように仕込んでみました。